愛と死をみつめて

まず手記のほうもよんでもらいたい。

たった21歳の若さで、顔の軟骨肉腫という現在でも治療が困難な
病気に立ち向かい最後まで恋人を幸せにしようとした美しき女性
の純愛ストーリー。

こう思ったのは私だけではないはずだ。純愛というより彼女の
人間性に心を打たれた。

これほど心のきれいな人は見たことがないかもしれない。
人間的な優しさは病気を患っても最後まで変わることはなかった.
むしろ、治らないであろう病になったことによってそれがより
輝きを増したような気がした。

そして話の中心となる日記と手紙のやりとり。
そこから彼女の"優しさ"と苦しみがひしひしと感じられて胸が詰まった。

最初の手術で顔面の半分を取り払い、その後も幾度にわたる手術.
その苦しみの中での恋人、身寄りのない人に対する思いやり。
なんと勇ましいことか。
弱みをもらさなかったわけではない。
だがここまでのことをして絶望しない人はいるだろうか。
最後まで生きようと努力する姿に感動させられた。

彼女の姿そのものが現代人に欠けていることを反映しているのではないか。
そう思ってしまう。

神はなぜ美しい人ばかりを奪っていってしまうのですか?
なぜ苦しませた挙句，早々にもっていってしまうのですか?

だがそれでも彼女は不幸だっただろうか。絶対に出ない答えだと思う。
どんな人生も人それぞれの輝きがあり、私にとって彼女は輝いていた。

一つの素晴しい記録の復活に生きていく勇気とそれ以上のものを
もらいました。


肉腫を患った私の母に、多くの人に喜びを与えられるよう生き，

今は亡き女神本田美奈子さんに思いをささぐ。